コア・バリューについて

よく「事業コンセプト」と云う言葉がビジネスの現場で使われます。
それで、よく使われているのですが「じゃあ、どう云う意味?」と聞かれると中々明確には答えられない事が多いです。
 
「事業コンセプト」は、どんなビジネスでも非常に重要なのですが日々現実に「事業コンセプト」が埋没してしまいます。
それでは成果は上がりません。
 
事業コンセプト=誰に、どの様な価値を?、如何に届けるか?(提案するか?)
・・・まず、これを基本として頂ければ間違いありません。
●誰に?・・・顧客ターゲットや市場
●どの様な価値を?・・・これが自社のコア・バリュー=収益の根です。
●如何に届けるか?・・・営業、マーケティング手法
 細かくお話をすれば、もう少しややこしくなりますが、基本はこの3つです。

コンセプトの中で、このコア・バリューの策定が一番難しい要素です。
これが決まれば、他の2つの要素は自ずと見えてきます。
 
では、コア・バリューとは何か??
カテゴリーワン戦略では、自社のコア・バリューとカタカナで言ってますが、
そのまま日本語で「核となる価値」と理解下さい。
但し、それは提供する製品・サービス自体(モノ)ではありません。
コア・バリューとはモノ(製品・サービス)を通じての顧客の価値=「状態」と「意味」を考える事です。
モノの機能や品質だけを考えても答えは永遠に出ません!
・・・いつも申し上げるのですが、やはりモノの話になる。
正しくは、機能や品質等から生まれる顧客の「状態」と「意味」です。
 
解りやすいので、マッサージ店の話をします。こちら(マッサージ師)が提供する行為は『もみほぐす!』です。
しかし顧客にとってはそれは過程に過ぎず、”ほぐれる”とか”すっきりする”とかの「状態」です。
どんなに一所懸命もみほぐしても、凝ったままなら満足はありません。。。価値無し!です。
その時の料金を頂けても二度と来なくなるでしょうし、「あそこは下手!」なんて口コミが広まったりします。
加えてマッサージを行う空間がお香を焚き、リラックスした音楽が流れ、
リッチな気分になって時間を過ごせる!は『もみほぐす!』を超えた意味の提供にもなります。
もちろん、そういう余計なものは要らない!という顧客も居るでしょうが、
その空間と時間提供が認知されれば時間単価アップに繋がるかもしれません・・・価値が認められた事になります。
加えて「予約がとれない!」とか「神の手」とかの評判が流れれば、
更に時間単価がアップ出来る可能性があります・・・情報が価値になる!それは「意味」のゾーンです。
 
「状態」は提供するモノの機能や品質の要素、「意味」はそれを超えた価値・・・特に情報性は極めて大事です。
 
もちろん業種・業態で、その「状態」や「意味」は変わりますが、
あくまで顧客が獲得する「状態」や「意味」です。
産業財でよく言われるソリューション(問題解決)なども、そこに含まれます。
・・・顧客のコストダウンや効率化の提案等です。
 
モノ(機能と品質)だけの競争は必ず価格競争に成ります。
何度も申し上げますが、モノから生まれる独自の「状態」や「意味」が必要です・・・それがコア・バリューです。
コア・バリューについては、経営指南書等では様々な解釈がありますが、
「営業開花」では顧客に提供(提案)する、自社の価値(バリュー)の核(コア)の設定としています。
・・・それと大事な事は、それを言葉(文脈=コンテキスト)にする事です。
 
・・・では、どうやって自社のコア・バリューを見出すのか?
一度、自社のモノから離れ、我々は顧客に、どんな「状態」や「意味」が提供・提案出来るのか?考えて頂ければ・・・
モノから離れる・・・とは、そう難しくはありません。
産業財や中間財でも可能です。事実キーエンスや、日本電産でも成功しています。(事例が大企業ですみません)
 
絶対にやってはいけないのは、商品・製品をスペックだけで語る事です。
スペック(機能と品質)だけで売れば、スペック(価格)で判断されます。
 
まずは顧客の今の「状態」を観る、顧客から話を聞き出す。顧客をインサイト(洞察)する!
そのテクニックを身に付ける事です。
その状態に貴社の資源から何か提案出来る事が無いか?
 
「営業開花」の日々の記録は必ず、それに役立ちます。
 
そして、その「考える」を続けて頂きたいのです。
 
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